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NPO法人尾道空き家再生プロジェクトNPO法人尾道空き家再生プロジェクト
 江戸時代後期から大正時代の初めにかけて、商業都市尾道では、斜面地や海岸沿いの風光明媚な場所に「茶園(さえん)」と呼ばれる別荘住宅を設ける豪商が多く生まれました。
 大正4年に発行された「尾道案内」(吉田松太郎著)によれば、当時、代表的な茶園だけでも18カ所ありました。その代表例として、久保町本通り商店街に面し、「爽籟軒」茶室が現在公開されている橋本吉兵衛氏別荘、千光寺参道に面し「帆雨亭」と呼ばれる茶室建築を持つ島居幸雄氏別荘、千光寺新道沿いにそびえる、通称「天春」の美しい勾配の石垣を持つ天野春吉氏別荘などがあります。
 この茶園の一つが通称「れんが坂」沿いにありました。畳表の問屋街として栄えた長江通りの豪商、児玉喜兵衛氏の別荘「児玉茶園」です。児玉茶園の建物は数棟に及び、明治の後半から大正の初めにかけて建てられました。この建物の一部を、児玉家の子孫の一人である木村直美さんが、自らの手で再生しようと取り組んでいます。
 通称「れんが坂」と呼ばれる坂道は、明治時代の小字「デンギ(きへんに電+木)坂」が「蓮花坂」と表記され、のちに「れんが坂」と呼ばれるようになった道です。
この道沿いには、2つあった茶園の他にも立派な和風の邸宅が建ち並んでいます。
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