傾斜地にある空き家歴の長い家の多くは傷みがひどく、空き家の修復にかかる経費の問題は避けて通れません。特に車の入らない傾斜地では工事費が平地の2〜3倍かかるといわれており大変大きな問題です。空き家再生の修復費用を援助するため、それぞれの再生物件で様々なイベントを行っています。イベント自体を楽しんでいただきながら、斜面地の現状や古い家の良さに触れたり、毎回進化する再生過程を見てもらえればと考えています。
尾道芸術祭 「十字路-ONOMICHI ART CROSSROADS-」 更新日:17年08月08日
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尾道は中世以来より瀬戸内海の島々を繋ぐ東西の航路と、山陰から四国へと貫く南北の路が交差する「十字路」の中心に位置する港湾都市として発展してきました。
豪商たちの経済力は、寺社への寄進や茶園別荘(茶道)の造営などにも費やされ、瀬戸内海有数の文化都市を形成する原動力となりました。
中世から近世、近代から現代。
尾道では、その時代ごとに芸術文化を育もうとする土壌が培われてきました。
そして、今、さまざまなアーティストたちが、新たな尾道の風景(歴史)を創造しようと活動しています。
芸術祭「十字路-ONOMICHI ART CROSSROADS-」は、尾道市内で活動する「ART BASE MOMOSHIMA」「AIR Onomichi」「尾道空き家再生プロジェクト」による3つのプロジェクトが交わり融合するものです。
過去と未来、伝統と創造が交差するアートによる十字路で、尾道の新たな魅力が創出されます。

日程:平成29年11月4日(日)~12月3日(日)
主催:現代アートの創造発信事業実行委員会
助成:文化庁・尾道市









尾道の坂の町で共に歩んできたAIR Onomichiと百島のART BASEと共に回遊型の芸術祭が行われます。尾道空き家再生プロジェクトでは、10年前から再生に着手している「通称ガウディハウス」の2階和室で旅する建築家・渡邉 義孝さんの「記録と記憶 ~渡邉義孝・旅のフィールドノート展〜55ヶ国、30冊の旅日記が語るもの〜」、1階で「通称ガウディハウス 10年間の再生の軌跡」を週末限定で行う予定にしています。ぜひこの機会に生まれ変わろうとしている空間をご見学ください。タイミングが合えば、洋館部分の左官仕上げ作業をしているかもしれません。

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「記録と記憶 ~渡邉義孝・旅のフィールドノート展〜55ヶ国、30冊の旅日記が語るもの〜」

「記録されたもののみが記憶される」
これは旅する民俗学者、宮本常一の言葉です。彼はノートを大切にし、膨大な記録を生涯に残しました。

旅で出会ったひと、建築、風景、自然、食など、さまざまな事柄をノートに記録する。
空きP理事でもある建築家・渡邉義孝さんもそんな営みを続けるひとりです。

肉体労働者を経て東京神楽坂のアトリエ系設計事務所に入った彼は、2年間無給で修行します。
そんななか、所長から課されたのは「一年のうち3ヶ月は外国へ行け。そのための旅費は支給する」というルールでした。その際の条件は「毎日絵を描くこと、ノートをつけること」。

1994年の中国を皮切りに、以来24年の間に訪ねた国は55ヶ国。
フィールドノートは約30冊になりました。著書『風をたべた日々~アジア横断旅日記』(日経BP社)は、そんなノートから生まれました。

高山病に倒れたチベット高原、肺炎で入院した中国青海省。血讐の因習に触れたアルバニア。人も建築も美しかったシリア。日式建築を訪ね続けた台湾……。
ノートに刻まれた建築と人の暮らし。その全容を初めて公開する展覧会です。

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渡邉義孝


一級建築士、尾道市立大学非常勤講師。尾道空き家再生プロジェクト理事。
1966年生まれ、千葉県立船橋高校卒。保線工、掘削工、型枠工等を経てアユミギャラリー・鈴木喜一建築計画工房に入所。住宅設計や民家再生、文化財調査等にたずさわる。2004年、風組・渡邉設計室を設立。ユーラシア各地を巡り、建築や民族問題などを記録している。著書に『風をたべた日々〜アジア横断旅日記』(日経BP社)、共著に『セルフビルド〜家をつくる自由』(旅行人)、『小さなまちづくりのための空き家活用術』(建築資料研究社)等。

©2008 尾道空き家再生プロジェクト